音響振動解析システム(JANET,JAXA acoustic analysis network system)は、ロケット打上げ時の音響により衛星構体パネル(ハニカムパネル)に搭載される各種機器に対し誘起されるランダム振動の環境条件(設計スペック)を統計的手法を用い予測解析することを目的に開発されたシステムです。
 JANETを利用することで、これまで設計者の経験を頼りに設定していた搭載機器の設計スペックをより精度よく予測解析し、設定することが可能となります。このため衛星設計開発工程「設計−製作−試験」における手戻りの解消及び試験の短縮や省略による開発期間の短縮が期待されます。特に衛星の初期設計フェーズにおいて有効な設計支援システムです(図1)。







 JANETの開発において、これまで国内で開発された衛星数機の実試験データ(数千個)を基に解析精度評価及び解析誤差の統計処理を行うことで、設計スペック予測精度の向上を図り、設計スペックを設定する上での適切な上限レベル(P95/50、P99/90)※の予測を可能にしました(図2)。
 JANETは、種々の衛星に係るデータを蓄積するデータベースと設計スペックを予測解析する為の解析機能を有しております。平成27年3月よりインターネット経由のサービスは終了しましたが、オフラインでの利用は可能です。
 ※ P95/50とは、「50%の確率で集合の95%を包絡する値」を意味しており、P99/90とは、「90%の確率で集合の99%を包絡する値」を意味しています。